マクラメ初心者のための焼き止め練習の前半では以下5項目を練習しました。
- 角度の練習
- ペン先タッチ 溶けたロウに素早くタッチする練習
- ファイヤーノック 火を点火させないでワックスコードを溶かす
- キャンドル 火を点火させてワックスコードを溶かす。
- 吹き消しのタイミングの習得
復習したい方はこちらのリンクからどうぞ
マクラメ初心者基本技術/焼き留めレッスン
ここからは後半の以下の4項目基本となる焼きどめの技術を練習していきましょう。
6.ダマのボリュームコントロール
7.潰しの向きのコントロール
8.紐の接続
9.複数の紐を一度に焼きどめする。
10.最終仕上げの炙り
備するもの
- ワックスコード
- 濡れ布巾
- ライタープッシュ式(ターボライターはNG)
レッスン6 ダマのボリュームコントロール
燃焼時間をコントロールできるようになるとダマの量を自在に扱えるようになります。
ダマとは燃焼させたり、熱処理を施した時に、ワックスコードが溶けて紐の先端にできる玉のことを言います。

ほつれないようにしっかりと焼き留めしておきたい場所には、ある程度のダマの量があったほうが封(シール)しやすいです。
また、どうしても作品の表面など見えるいちに焼き留めを施さなければならない時は見た目の美しさを考えると最低限のダマの量で目立たなく、でもしっかりと止めてあげるのが良いと思います。
ここで参考までにダマの量についての焼き留めの良い例と失敗例について解説しておきます。(初心者の方はできなくても徐々にコツがわかってきます。参考までにこういう焼き留めの仕方があるとだけ覚えておいてください。)
焼き留め使われ方の成功例と失敗例
成功例
1.左手で裏面にした編み目を持ち、焼き留めしたい部分を2ミリから3ミリのこしてカットします。(基本的に焼き留めのダマは裏面に貼り付けるようにして潰します。)

2.ライターの炎を近づけダマを作ります。炎を紐に移して燃やしても良いですし、炎を写さずに熱で溶かしても構いません。

3.ちょうど赤丸で囲んだ結び目にダマが触れるか触れないかの境目で火を吹き消しライターの側面などで手前側に(マクラメ編みの裏面にあたります。)ダマを潰し封をします。
4.焼き留めの後は、このようになります。

失敗例
1.同じように今度はよく初心者でありがちな失敗例をやってみます。同じように2から3ミリ紐を残してカットします。ライターの火を近づけて焼き留めします。

2.少し大げさですが焼き留めした後です。(失敗例)

結び目の側面にダマがしっかりとつく前に焼き留めしてしまったため、ライターで潰して止めた部分が、赤丸で囲んだ結び目に接着していません。この状態だと、マクラメを編んだ部分の紐が緩みほつれてきてしまいます。
紐が緩まないようにするための対策
こうなってしまった場合はも一度残りの距離の紐を燃やしてダマを側面に接着するようにしてから潰してみてください。
補足 焼き留めアドバイス
*他の失敗例として、燃やしすぎて赤丸の結び目が溶けてほつれてしまうことも考えられるのでそのようなことがないように炎を消すタイミングを調整しましょう。
焼き留めの完成
完成した焼き留め(マクラメ編み裏面)の様子です。しっかりと止まりました。

一番良いのはしっかりと止まっているけれど、どこで焼き留めしているのかわからないほどに、焼き留めが目立っていないことです。
焼き留めしたマクラメ編み 表面の様子。

ダマのボリュームコントロール練習
それでは早速、ダマのボリュームコントロールを練習してみましょう。
2ミリ燃やしたものと4ミリ燃やしたもの小と大の2段階のダマを製作してみます(この練習では潰さなくて良いです。)
このように1センチほど紐を垂直に立てて持ちそれぞれの長さ分を燃やします。4ミリ燃やしダマを作るとき溶けたダマが指に垂れないように一気にダマを作ろうとせず、途中で紐を冷ましながら紐を炙ると良いです。

2mm燃やしダマを作ったもの。

4mm燃やしダマを作ったもの

これでダマのコントロールの練習を終わります。
レッスン7 潰しの向きのコントロール
ダマを潰す工程で潰しの方向というのがあります。基本は真上がらベタっとライターのへりなどを使って潰すのですが、より高度なテクニックとして、接着したい結び目同士を狙ったり、ほつれやすそうな部分にターゲットを決めそこに向けて潰して行く時にこの技術が使われます。

例えば上の矢印の場所へワックスコードのダマが行き渡るように接着したい場合などに使われる技術です。
練習のための準備
紙の中心に針で穴を開け、そこに紐を通します。
1センチくらい表に出るようにして裏面は焼き留めで止め、キャンドルの芯のような形にしてください。


左右上下に矢印を書き込みます。

焼き留め潰しの練習
何ミリかもやし、ダマを作ります。しっかりと火を吹き消したのを確認して、ライターのへりなどで上の矢印の方向へダマを潰してみましょう。


ダマガ中心より上の方向へ潰れていれば成功です。ワックスは爪で外れますので、少し外し、ハサミなどで取り除いて新しく紐をセットし、他の方向も挑戦してみてください。4方向できるようになったら完了です。

レッスン8 紐の接続練習
どうしても紐の長さが足りなくなってしまった場合の必殺技をご紹介します。これは紐のメーカーによって向き不向きがあるかもしれませんのでご了承ください。また、軸紐となる部分の紐に接続した紐を使うことはおすすめできませんので、あくまでも装飾編み(巻きつける方)の紐が足りなくなってしまった時の対策として使ってみてください。

1.人差し指と中指で上の紐、親指と薬指、小指で下の紐を支え、中央に接続する部分を合わせます。

2.赤丸部分に火をあて同時に2本のダマを作ります。


2つのダマが固まる前にt接続し素早く親指と人差し指で撚ります。(ひねって絡み合わせます。)ダマが大きすぎる場合や、ダマがある程度冷める前に触ると火傷の原因となりますので注意してください。


また、結び目のような紐の接続跡を残したくない場合はダマの量を減らしてやってみましょう。

紐の接続練習の完了です。
レッスン9 複数の紐を一度に焼き留めする。
一つの結び目から複数の紐が出ていてこれをいっぺんに焼き留め処理する場合や、スペースの狭い場所に幾つも処理しなければならない紐が出ている時に使われる技術です。同時に燃やしてダマを作り焼き留めするのはかなり練習が必要になりますので初心者の方は一度に焼き留めする必要がなければ、初めは小分けにできるだけ分けて少しずつ焼き留めすることをおすすめします。

練習のための準備
レッスン7の練習の時に作ったものを参考にして、紙に穴をあけ、一つの穴から2本の紐が出たものを用意します。裏面は焼き留めで止めています。表面は5ミリ出るようにしてください。

もう一つは穴のそれぞれの間隔が2ミリほどに狭くし、それぞれ1本ずつの紐を通します。裏面は焼き留めし表面に5ミリ出るようにします。

初めに、タイプAの練習をします。紙を折り曲げ写真のように持ちライターを近づけます。同時に2本の紐が溶けて行くようにしてください。ダマができたら紙を曲げたままライターのへりで焼き留めしてみましょう。
紙を燃やさずに、できるだけダマがピタッと紙に張り付くようにライターのヘリをうまく使ってみてください。

タイプBも同じように練習します。紙は折り曲げた状態(実際にはカーブを描いた状態)で持ち、3本同時に溶けて行くように炎を近づけましょう。
同じようにダマを3つ同時に素早く潰して紙に接着できるように練習しましょう。

これで複数の紐をいっぺんに焼き留めする練習を完了します。
レッスン10 最終仕上げの炙り
レッスンという訳ではないのですが、最後に出来上がった作品を綺麗にする方法をご紹介します。
製作の途中でどうしても出てしますワックスの白いカス(あまり)。これを取り除きます。針や爪楊枝などを使って取り除いた跡、炎に一瞬くぐらせます。(一瞬さっと炙ります)
こうすることで余分なワックスがとけ透明になります。見た目もこの方が綺麗です。
最後に石の部分などがある場合は、表面をアルコールテッシュなどで拭き取ります。こうすることで石の上についたワックスや指紋が綺麗に落ちます。
そして完成です。