マクラメ初心者のための焼き止めレッスン (前編)

ワックスコードを使ったマクラメ編みで最も難しいとされる技術に「焼き留め」という技法があります。これは編みあがった作品の紐に熱処理を施し、解けたワックスで封をすることです。初めのうちは火の扱いが怖いと思うかもしれませんがこれが上手になってくると、作品が解けたりすることがなく、すっきりと美しく整います。

それでは基本となる焼きどめの技術を練習していきましょう。

焼きどめ練習前編

マクラメ初心者基本技術/焼き留めレッスン 目次

  1. 角度の練習
  2. ペン先タッチ 溶けたロウに素早くタッチする練習
  3. ファイヤーノック 火を点火させないでワックスコードを溶かす
  4. キャンドル 火を点火させてワックスコードを溶かす。
  5. 吹き消しのタイミングの習得
  6. スライド技術 炎をスライドさせなからの焼き留め処理技術
  7. ダマのボリュームコントロール
  8. 潰しの向きのコントロール
  9. 紐の接続
  10. 複数の紐を一度に焼きどめする。

準備するもの

  • ワックスコード
  • 濡れ布巾
  • ライタープッシュ式(ターボライターはNG)

レッスン1 角度の練習

初めにライターを点火し角度を傾ける練習をしていきます。様々なシチュエーションで燃やす時の角度をコントロールする必要が出てきますのでその練習です。それでは、下の図のように基本は炎の先端が上部へまっすぐ伸びるよう垂直に持ちます。

マクラメ基礎 ライターの持ち方

1.それでは紐を炎に触れてみましょう。矢印の方向に垂直に炎に触れてみます。(火に接触するのは一瞬で良いので紐を点火させないでください。)

マクラメ基礎編 ライターと紐の角度

2.次にライターの向きを50度ほど傾けます。一瞬だけ炎の青い部分に紐を垂直に触れてみてください。(火に接触するのは一瞬で良いので紐を点火させないでください。)

マクラメ基礎 ライターの角度
マクラメ基礎ライターと紐の角度

3.ライターと紐を垂直にしそれぞれ10度ほど傾け接触させます。

ワックスコード 熱処理の仕方

4.紐を垂直に持ちライターを50度ほど傾けて紐に接触させます。親指が熱くなっていないか確認してください。角度を40度以上傾けすぎると火傷の原因になりますので気をつけましょう。

ワックスコード熱処理の仕方

角度の練習は以上です。

レッスン2 ペン先タッチ

つまようじか、いらなくなったペンを用意してください。ここでは溶けたロウに素早くタッチする練習をします。焼きどめの「ダマの潰し」の部分でこの工程をスムーズに行う必要があります。ここでは潰す前のダマに素早く触れる技術練習をしていきましょう。

1.垂直に紐を持ち50度に傾けたライターを近づけ、紐を燃やします。

ワックスコード 熱処理の練習1

2.一瞬炎が紐に移り、消えていきます。1秒以上消えない場合はすぐに吹き消してください。煙が出たり溶けたロウの匂いが出ている場合がありますのでこの時数秒間息を止めておきましょう。

ワックスコード 熱処理の練習 点火

3.できたダマの部分に、つまようじやペン先などで素早くタッチします。これをできれば1秒以内にできるようにしましょう。

ワックスコード 焼き留め練習

4.紐を持っている手を離してみてください。この時につまようじに溶けたワックスが付着していれば成功です。このタイミングを覚えておいてください。

つかない場合は、時間がたちすぎている可能性がありますのでもう一度練習してみてください。

ワックスコード 焼き留めの仕方

ペン先タッチの練習は完了です。

レッスン3 ファイヤーノック・火を点火させずにワックスコードを溶かす練習

初心者は作品が火で燃えてしまわないように初めはこの方法で焼きどめ処理を行うと良いかもしれません。火との接触を何回かに細かく分けることによってワックスを溶かす練習です。

紐と炎を90度に接触させ、紐に火が映らないように細かく接触させていき、ワックスコードを溶かしていきます。

この時、左手の紐を持った方の手は固定し、右手のライターを持った方の手を右と左に細かく動かしながら、炎が紐に一瞬だけ接触するようにコントロールします。

火で紐の端をトントントンとノックするように接触させてみましょう。

10回ほど連続して接触させ、火が紐に点火しなかったら成功です。。

マクラメ初心者 焼き留めの仕方

ファイヤーノックの練習は完了になります。

レッスン4 キャンドル・火を点火させてワックスコードを溶かす。

ここでは紐に火を点火し小さな炎を操る練習をしていきます。水を入れた容器もしくはにれた付近などを用意し安全な環境でレッスンしてください。

1.紐を垂直に接触させ炎を点火します。

マクラメ初心者 焼き留め

2.このように小さな炎が紐の先端に移りました。すぐに息で吹き消してください。

マクラメ 紐の始末

炎が大きく燃えてしまうのは吹き消すタイミングが遅い場合です。点火したら炎が小さな段階で、すぐ吹き消すようにしましょう。

マクラメ紐の処理 注意点

同じく、垂直にセットした紐の先端にも炎を点火させてみましょう。

マクラメ紐の処理

点火したら炎が小さなうちにすぐに吹き消します。

焼き留めのポイント

これでレッスン4の練習が完了となります。

レッスン5 吹き消しのタイミング

火を点火したら7ミリほど燃やして火を吹き消します。しっかりと封留めしたい場合のダマの量をコントロールする技術練習でもあります。7ミリ燃やすのには大体2秒くらいの点火時間です。

1.はじめに紐を垂直に持ちます。1センチの紐を7mm燃やして吹き消すのが最終目標ですが、初めは2センチに設置した紐を7ミリ燃やす練習から挑戦してみてください。7ミリ以上燃やすとロウが溶けて火傷の原因となりますので気を付けましょう。

ワックスコード焼き留め

2.ライターを傾けて火を点火します。

紐の処理 点火

3.7ミリ燃えたところで炎を素早く吹き消します。

紐の処理

4.丸いダマができています。成功です。

ワックスコード ダマ作り

これでレッスン5の吹き消しのタイミングの練習が完了です。

次のページでは焼きどめレッスンの後編を解説いたします。

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マクラメによる作品を長年製作してきました。開催したワークショップや作品の制作中に得た気づきなどをオラクルノット(Oracle knot)にまとめました。